ピアノの先生で発表会で黒字。

というと、なんとなく申し訳ない気持ちになるピアノの先生は1人や2人ではないはずです。

「黒字を出す」ことにためらう風潮が多かれ少なかれあるのがピアノ教室という業界です。
しかもたったの5,000円~多くても2、3万円の黒字でさえもです。

それでは実際のところ、ピアノ教室の発表会では黒字を出すことはいけないことなのでしょうか。
もっと具体的に言って、発表会で出た黒字を先生の労働対価としての「収入」とすることはいけないことなのでしょうか。

結論から申し上げると発表会の黒字を先生の収入とすることは全く問題はありません。

今日はピアノの発表会で黒字(儲け)が出ることについてのお話をしたいと思います

ピアノの発表会で黒字(儲け)が出ることは悪いこと?

ピアノの発表会で黒字(儲け)が出ることは悪いことではないのでしょうか?

もしかすると、一部のクレーマー的な保護者が「発表会の会費の余った分は返してください」と言っているのを聞いたことがあるから、なんとなく「そういうものなのかな…」という空気が漂ってしまっている、というのはあるかもしれませんが、しかし冷静に考えてみましょう。

発表会で出た黒字を先生の収入とすることを「悪い」と捉えることの根拠は何でしょうか?

ピアノ教室は慈善事業ではなく、美容院や学習塾などと同様、先生は「ピアノを教える仕事」で収入を得て生活をしているのです。

ピアノの発表会は単なる「お遊びイベント」ではなく、れっきとした「ピアノ教室のメイン活動」であり、大きな学習の意味をもつ場です。

先生も、発表会に向けてたくさんの時間を費やして熱心に準備をします。
「発表会のために働いて」いるのです。

それに対して

「月謝を支払っています」

とおっしゃる方もいるかもしれませんが、月謝は日頃のレッスンに対してお支払いいただいているものですよね。

数あるピアノ教室の中には「発表会はボランティア」といった気持ちで発表会の運営をしている教室もあります。発表会の赤字は生徒さんから徴収せずに先生の手出しをして補填している教室は意外と多いものです。

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旦那さんの稼ぎもたくさんある、資産もある、レッスン等で収入を得ることに重きをおいていない、そもそもピアノ教室自体が副業である・・・そのようなピアノ教室でしたら「発表会のボランティア運営」は可能かもしれません。

しかし、ピアノ教室の先生方はボランティア精神でピアノを教えているのでしょうか?
仕事でピアノを教えているというプライドがある先生こそ、なおさら発表会の黒字を堂々と「教室の収入」として計上するべきなのです。

発表会の黒字を教室の収入にするべき理由

発表会の黒字を教室(先生)の収入にするべきだと思う理由をお話します。

① 黒字収入は教室運営のために役立つ

まず、発表会の黒字収入は教室の運営のために役に立ちます。
教室の備品を増やすことも出来ますし、ピアノの適正な調律を行う費用にすることもできます。

ただでさえ、町のピアノ教室の先生は薄給です。

月謝がそのまま先生の懐に入ると思っている保護者の方は多いですが、それなりの割合を、教室の運営費に当てているのが現実です。教室の運営には、思いのほかお金がかかりますよね。冷暖房器具が故障した、プリンターやインク代もばかにならない、セミナーに行くためのセミナー代と交通費…

発表会の黒字収入をそういった教室運営費に役立てることができます。

② 発表会に向けてたくさん働きましたよね?

発表会前の先生は、膨大な雑務に終われますよね。
あちこち駆け回ることも多くなります。

そのガソリン代は、誰かが出してくれますか?
その、駆け回っている時間、プログラムを作ったりアンサンブル楽譜を作ったりする時間の給料は、誰かがが出してくれますか?

誰も出してくれませんよね(^^;

そういった事前準備を含めた「手数料」を、発表会参加費からいただくことは「仕事」でしたら当然のことです。

どこかのサイトの投稿で「発表会の黒字は先生のボーナスですよ」という内容がありましたが、発表会収入はボーナスとはまた性質が違います。

ボーナスは、特別な仕事をしなくても勤めているだけで戴くことができますよね。

それに対して発表会の収入は「発表会を開催しないと発生しないもの」です。

発表会前は膨大な雑務に追われ、各所に連絡をとり、打ち合わせをしたり、会場下見に行ったり、発表会曲のレッスンではプレッシャーに押しつぶされそうになりながら…そんなカオスのような期間を2~3か月ほど過ごしますよね(笑)
仕事量も日頃よりも増えます。

なので、発表会の黒字収入は「ボーナス」ではなく「発表会運営手数料」です。

仕事をした分の手数料をいただくことは悪いことではないですよね。

「私はプロ意識をもってピアノを教えている」

という自覚がある先生はなおさら、発表会の黒字を堂々と教室収入にするべきだと思います。

立派なホールを借りて1日がかりで行う正式な発表会ではなくて「ミニ発表会」「弾き合いの集い」のような会でも、同じくです。

「ピアノ演奏の場」という教育的な意味をもつ会では、先生方は仕事として使命感をもって会を開催していると思います。そういった場では仕事の対価としての収入を得ることは普通のことなのです。

「発表会の黒字」は先生の労働対価。堂々と教室収入にしよう。まとめ

発表会の黒字を教室(先生)の収入とすることをためらう風潮も一部ありますが、ピアノ教室はボランティアではないので、黒字収入は堂々と教室収入にして良いのです。しかも発表会の黒字収入といってもせいぜい5,000円~多くて2,3万くらいですよね。教室の備品を買うでも良いですし、発表会までに何かと負担をかけたり我慢をさせてきた家族と1日レジャーに出かける費用にしても良いですし、使途は先生の自由です。
もしも「発表会費の余りを返してください」という保護者がいたならば、その方は発表会開催のために先生がどれだけ尽力してきたかというところに想像が及んでいないのです。ピアノの先生はそこまでへりくだる必要はありません。ピアノ教室業界と、ピアノを習っている未来ある生徒さんたちのためにも、ピアノの先生という地位を自ら下げるようなことは慎みたいものです。プライドと使命感を持ってピアノを教えている先生こそ、発表会の黒字収入を「発表会開催手数料」として堂々と教室収入にしましょう。

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