スポンサードリンク

スポンサードリンク

突然ですが…

大きな声では言えませんが、ピアノ教室では、生徒さんに楽譜をコピーしてお渡しすることがしばしばあるかと思います。

先生たちも「本当はコピーしてはいけないんだろうけど…」とひっかかりを感じながら楽譜をコピーして生徒さんにお渡ししているのが現実です。

一方「営利目的ではなくて教育のためだからOKなのでは?」と捉える先生も。

今日はピアノ教室で楽譜をコピーして生徒に渡すことについて考えてみたいと思います。

楽譜をコピーしてはいけないという理由・根拠は?

楽譜をコピーして生徒さんにお渡ししてはいけない理由や根拠は、ズバリ「著作権法」にあります。

しかしその著作権法のページを開いてみても、文言が難しくて何が良くて何がいけないのか、わかりづらいですよね。
いろいろと調べ回った結果、ピアノ教室に関係がありそうな部分だけお話をさせていただきたいと思います。

※法律の専門的なことに関しては誤りがあるかもしれませんので、ご理解ください。

ピアノ教室で著作権が関わってくる部分は、大まかに言って

① 公共の場での演奏の機会
② 教室で使っている楽譜のコピー

の2つかと思います。

今日は「楽譜のコピー」についてのみお話をしたいと思います。

結論から申し上げると

「著作権の切れていない楽曲の楽譜を許可なくコピーして生徒さんにお渡しすることはNG」

ということです。

ではどうすれば良いのか?

① 楽譜を買っていただく

これが一番、音楽文化の継承などの観点からもベストです。
楽譜を購入するということは、出版社に利益が上がります。
その利益で、出版社は良い楽譜をこれからも出版することができます。

そう考えると、音楽の指導者も学習者も、演奏者も、趣味で音楽に携わっている人みんなが、出版社から出版されている楽譜を購入することは、音楽文化という大きな観点からも大切な意味をもっていることがおわかりいただけるかと思います。

楽譜をコピーする場合というのは、主に発表会の時かと思います。
しかし、ただでさえ保護者の負担がかかる発表会。1曲の曲を演奏するために1冊の楽譜を買っていただくのは気が引ける…と思ってしまうのも頷けます。

しかも発表会では2,3曲演奏する場合は、購入していただく楽譜も2冊、3冊となりますよね。
「楽譜は購入して使う」ということが正しいことだとはわかっていても、次から次へと楽譜の購入をお願いできないのが現実なのではないでしょうか。

その場合は、楽譜1冊を購入をしていただかなくても良い方法が実はあります。

② JASRACに複製利用の許可を申請する

JASRACに、複製利用(コピー)の許可申請をすれば、先生が持っている楽譜をコピーして生徒さんにお渡しすることができます。

【参考】
JASRAC 楽譜複製利用許可申請ページ

複製の利用申込書はこんな感じです。(JASRAC公式HPより画像引用)

2018y04m03d_150402240

ただ、コピーの許可申請を申し出てから「許諾番号」を発行してもらい、その番号を楽譜に貼り付けてコピーをしなければなりません。ですので、郵送での申請でしたら1週間はかかります。

インターネットでの申請でしたら3営業日以内に許諾番号を送ってもらえるようなので、インターネットで申請をするのが便利そうですね。

ただ、日本の作曲家の楽曲でしたら数百円で済むようですが、外国の作曲家の楽曲だと数千円になってしまうようです。
これならば、楽譜を購入した方が断然お得ですね。

死後50年が経過した作曲家の楽曲は著作権が消失していると聞いたけれど…

作曲家の死後50年が経過すると、その作曲家の作品の著作権は消失します。
ですので、モーツァルトやベートーヴェンなど、著作権が消失している作曲家は多く存在しています。

では、モーツァルトやベートーヴェンの楽曲はコピーして生徒さんにお渡しして良いのか?
というと、そうでもなさそうです。

「著作権法」がカバーする「著作権」自体は消失しているのですが、「複製権」というものにひっかかるらしいのです。
一般社団法人「日本楽譜出版協会」によると「複製権」について次のような記述をしています。

Q1.コピーすることがなぜ問題なのですか。
A.コピーすることそのものが問題なのではありません。問題なのは、出版社に無断でするコピー、楽譜の購入に代えてするコピーなどが問題なのです。その理由は、楽譜出版社は出版契約により、作詞家や作曲家からその作品を出版(複製)する(譲渡契約による場合は、出版(複製)する権利のほか、演奏したり、録音したりする権利、すなわち著作権の)すべての権利を譲り受けています。したがって、出版社に無断でコピーをすることは、出版社のもつ複製権を侵すことになるからです。

一般社団法人 日本楽譜出版協会HP「よくあるご質問より引用」

死後50年が経過した作曲家の楽曲をコピーすることは「著作権法」という法律に反するわけではないけれど、出版社がもっている「複製権」の侵害になるということですね。

では、楽譜のコピーが許されるのはどんな時?

● 自分が持っている楽譜を自分が使うためにコピーする時

自分が持っている楽譜を、自分が使うためにコピーをする機会は、ピアノの先生でしたらよくあるかと思います。
ここでちょっと考えていただきたいのですが、次の2つはどちらともコピーOKだと思いますか?

① 譜めくりをしやすくするために楽譜の一部をコピーをした。
② クリスマスコンサートで演奏をする。いくつかの冊子から数曲弾くので、楽譜をコピーしてまとめてスクラップブックに貼り付けた。

こういった機会はピアノの先生は多いかと思います。
これは、自分がすでに購入なりして所持している楽譜なので問題はなさそうですが、実は②は問題がありそうです。

以下を参考にしてください。

Q10.コピーが認められない場合とは、どのような場合ですか。

A. 著作権法の原則と同様に、著作者や出版社が本来ならば得られるはずの利益が、無断コピーされることにより、不当に損なわれるような場合には認められません。具体的には以下のような場合がそれに該当します。
・楽譜の購入やレンタル楽譜の借入を避けるために行うコピー
・「演奏用」または「研究用」の名目で借入したレンタル楽譜のコピー
・「楽章全体」または「楽曲全部」のコピー
・自分の好きな曲を集めた「名曲集」的なファイルを作成するために複数の出版物からするコピー
・使い切りの一回使用を目的とした消耗品として発行・販売されているワークブック、指導書、教則本、練習帳、試験の答案用紙またはそれに準じた諸教材などのコピー
・出版社からコピー・サービスを受けた楽譜またはQ6~Q9に該当する方法でコピーした楽譜を再製して他人に譲ったり、貸したり、売ったりする目的でするコピー

一般社団法人 日本楽譜出版協会HP「よくあるご質問より引用」

自分が使うとは言っても「楽章全体」または「楽曲全部」のコピーはNGなのですね。
うーん、いろいろな曲を一気に演奏する場では楽譜をコピーして貼り付けておきたいところですが、これもNGとはなかなか演奏する立場としても厳しいものを感じずにはいられません。(というのが率直な思いです)

「ピアノ教室で使う楽譜はコピーをしてはいけない?」まとめ

ピアノ教室では生徒さんに楽譜を次々と買っていただくのは申し訳ない…と思ってしまい、ついコピー譜をお渡ししてしまうことがあります。しかし、楽曲には「著作権」というものがあり、その曲を作曲した作曲者のもとには、しかるべき利益が入るようにしなければなりません。

例えば何か自分で作ったものを知人数人に預けて「売れた分だけお金をください」と、販売委託のようなことをしたとします。数日後、実際には100個売れているのに、たったの30個分のお金しか手元に戻ってこなかった。

「楽譜を購入されることなくコピーして使われる」というのは、ニュアンス的にはそんな感じではないでしょうか。
サービスを提供しているのに、適正な対価が得られないということですね。

自分の作品が多くの人に使用されているはずなのに、自分のもとには1銭も入って来ない(実際には1銭も入って来ないということはないですが、例えです。)となると、作曲家は仕事として成り立たなくなってしまいます。

そして出版社がもつ「複製権」についても同じくです。
楽譜を出版するには、人件費や紙代・インク代など手間とお金がかかっています。それらに対して適正な対価を支払うのは当然のことですよね。

生徒さんが使う楽譜は、購入をしていただくか、JASRACに複製利用の申請をするか、または欲しい楽曲を1曲からダウンロードして購入できる「ぷりんと楽譜」などのサイトも利用するなどして、正しい方法で楽譜を扱いたいものです。

以上、ピアノ教室で楽譜をコピーして生徒さんにお渡しすることに関しての記事でした。

スポンサードリンク