子どもさんをピアノ教室に通わせていると、何らかの理由でレッスンを欠席してしまうことがありますよね。
そんな時、休んだ分の「振替レッスン」って、してもらえるのでしょうか?

親御さんの気持ち、先生の気持ちの両方から、ピアノ教室の振替レッスンについてちょっとお話をします。

ピアノ教室のレッスンを欠席する理由

みなさんがピアノのレッスンを欠席する時、

・体調不良
・けが

などが主な理由になると思いますが、時には

・夏休み中などの旅行
・親御さんのお仕事で送迎ができない場合
・学校行事

このような理由でレッスンを欠席してしまうこともありますよね。

親御さんとしては

「決まった額の月謝をお支払いしているのだから、欠席した分の振替レッスンはしてもらいたい」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、振替レッスンを無料で行う先生は少しずつ増えてきたような感覚ですが、まだまだ「当たり前」ではないみたいです。

「それならお休みした分の月謝(レッスン費)を返してもらいたい!」

と要求する前に、ちょっと教室側の事情を知っていただけたら…と思います。

ピアノ教室では振替レッスンはしてもらえるの?

それでは実際に、ピアノ教室でレッスンを欠席した場合に振替レッスンをしてもらえるのか?
について考えていきましょう。

最初に結論を申し上げると

「振替レッスンの扱いは教室によってさまざま」

です。

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ここでまず申し上げておかなければいけないのは、大手の音楽教室ではまずシステム上振替レッスンは不可能です。

大手音楽教室でレッスンをしている先生たちは、雇われている先生たちです。

週に〇時間勤務で賃金がいくら、などという形で雇用の契約を結んでいるのです。
生徒さんがお休みをされた場合でも、先生は職場に待機しています。
つまりは「勤務中」なのですね。

そして契約に定められた時間が来ると退勤します。
大手音楽教室では「お客様のご都合で欠席をされた場合は原則として振替レッスンは行っていない」と決められています。

勤務時間外に振替レッスンを行った場合、先生はタダ働きになってしまいます。

なので、先生の「勤務時間内」にレッスンに来る。
来られなかった場合は振替レッスンをしてもらえなくても仕方がない。

と考えるのが人道的といえるのではないでしょうか。

あとは大手音楽教室ではレッスンルームが満室であることもあります。
1部屋でも空いていれば、1人や2人の振替レッスンであれば可能かもしれません。

しかし個人教室とは違って、大手音楽教室ではたくさんの生徒を抱えていいます。
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1週間のあいだにレッスンを欠席してしまう生徒さんの数は個人教室の比ではないでしょう。
たくさんの数の生徒さんの振替レッスンを行うことは物理的に不可能です。

そういった理由より、大手音楽教室ではレッスンをお休みした場合は振替レッスンは不可能なのです。

それでは個人のピアノ教室だったら振替レッスンはしてもらえるの?

大手のピアノ教室では振替レッスンは不可能なことがおわかりいただけたかと思います。

それでは、

個人ピアノ教室なら融通がききそうなので、振替レッスンをしてもらえるのかな?」

と、思ってしまいますよね。

実際、個人ピアノ教室では振替レッスンを行っている教室もあるようです。

しかし、大手ピアノ教室と同じで「振替レッスンは行いません」という教室もあります。

振替レッスンを「する」「しない」

その違いは何でしょうか?

【 振替レッスンを「しない」先生の言い分 】
・生徒数が多くレッスンスケジュールも埋まっている。レッスン以外の時間は家族の用事などで忙しく、別枠で振替レッスンを行う余地がない。
・振替レッスンの希望をすべて叶えられる保証がないので、はじめから振替レッスンは行わないことにしている。
・定められたレッスン時間外に振替レッスンを行うことで私生活に支障をきたすのを避けたい。
・そもそも約束された曜日・時間が確保されているのに、自分の都合でお休みをして振替レッスンを当たり前のように要求するのはいかがなものか。
【 振替レッスンを「する」先生の言い分 】
・レッスンをしていない分の月謝(レッスン費)を1か月分まるまるいただくのが申し訳ない。
・レッスンスケジュールに空きがあるので、可能な範囲内で振替レッスンをして差し上げたい。
・進みが遅い生徒さんには特に、レッスンには来てもらいたいと思ってしまう。

振替レッスンを行う先生たちは、こんな気持ちがあって振替レッスンを行ってくれているのですね。

ピアノ教室における振替レッスンとは?

ひと昔前までは「してもらえなくて当たり前」とされていた「ピアノ教室の振替レッスン」が現在ちらほら行われるようになったのには、時代背景があります。

① 働くお母さんが増えたから
ひと昔前は専業主婦のお母さんが多かったので、習い事の送迎に支障をきたすことはあまりありませんでした。しかし今、多くのお母さん方が仕事をしています。「残業のためピアノの送迎が間に合わない」なんていうことも起こり得るようになったため親御さんの都合でレッスンをお休みしてしまう機会が昔よりも増えました。
② インターネットの普及で遠方の教室も選択肢に入るようになったから
近所の教室に通っていれば、親御さんの送迎がなくても自転車や徒歩で通うことができます。なので、仮に「お母さんが仕事のため送迎ができなくなった」という場合でも、自力でレッスンに行くことができます。
ですが、現在はインターネットを使ってピアノ教室を探す時代です。必ずしも最寄りのピアノ教室に通う、というわけではなくなってきました。なので、①に関連しますが、親御さんのお仕事状況によって出席の可否が左右されるようになりました。
③ サービスの充実を取り入れようという流れ
ひと昔前、ピアノ教室の先生は「厳しい」「お作法に気を付けなければならない」などなど、一線を画した少し敷居の高い習い事でした。ですが、現代ではピアノは「気軽に習える」習い事となりました。そして、そのような「誰でも習える」ピアノ教室の先生が、現代の世相とニーズを反映させて、ある程度需要のある「振替レッスン」を実施して差し上げたい、と思って振替レッスンを行う教室が増えました。

このような時代背景があり、だんだんと「振替レッスン」が行われるようになってきたのですね。

ですが、忘れないでいただきたいことがあります。

振替レッスンは「生徒が享受する当たり前の権利」ではなく「先生の厚意」によるものである、ということです。

「振替レッスンを行う」ということは、定められた曜日・時間のほかに先生が「改めて別の時間を準備してくださる」ということです。

そこには当然レッスン料が発生してもおかしくないことなのです。

それを無料で振替レッスンをしてくださっている先生に対しては、感謝の気持ちを忘れないでいただきたいと思います。

「こちらの都合でお休みをしたのに振替レッスンをしてくれてありがとうございます」

とひとこと添えると、きっと先生も「がんばって振替レッスンの時間を捻出して良かった。そのお気遣いが嬉しいな。」と思うはずです。

ピアノ教室の振替レッスンについてのまとめ

個人教室では、教室によっては欠席した分の振替レッスンを行ってもらえる場合があることがわかりました。

しかし、基本的にはピアノのレッスンというのは先生が「その時間を」「その生徒さんのためだけに」確保しておいてくれています。

振替レッスンを行ってくれるとは言っても、くれぐれも軽々しくレッスンを休むことのないよう気をつけてくださいね。

また、先生によっては事情も様々です。
介護が必要な家族がいたり、子どもの習い事の送迎、夜遅くまでレッスンを行う先生は夜にはできない夕飯の準備など家事をしたり…
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定められたレッスン時間は守られるべきですが、レッスン以外の時間は先生にとっては「勤務時間外」です。

生徒数の少ない先生に対して

「先生は生徒も少ないんだからいつでも振替レッスンできるでしょ!」

なんて言わないでくださいね(笑)

「振替レッスン」は「当たり前」ではなく「していただけるとありがたい」システムであるということをどうか覚えておいていただけると嬉しいです。

一番理想的なのは「振替レッスンをしてもらえなくてもこの先生に習いたい!」と思えるような先生に出会えることですね!

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