ピアノ教室を運営していると、時々いくつかの問題に出くわします。

その中のひとつが

「月謝の値上げ」

です。

これは先生と保護者のどちらにとってもちょっとした問題となります。

ピアノ教室の月謝は値上がりすることがある

お店で売られている物の値段が上がったり

美容院の料金が上がったり

物価やサービスの値上げは世の中にはつきものですよね。

ピアノ教室も、商店や美容院などと同じく「商売」として経営しているので、当然月謝の値上がりは起こり得ます。

さて、その「月謝」の値上がりの仕方は2通りあります。

・予め規約などの明記されているレベルに応じた月謝の値上がり

・予め知らされていなかった想定外の値上がり

の2通りです。

前者は、中級のテキストに進むと月謝が〇〇〇円アップします。

と、予め予想されている値上がりなので、保護者としても心づもりができています。

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しかし、後者の「予め知らされていなかった想定外の値上がり」となると保護者の立場としては

「!」

となってしまうところですよね。

それでは、なぜピアノ教室の月謝が値上がりをするのかを考えて行きましょう。

ピアノ教室の月謝が値上がりをする理由

ピアノ教室の月謝が値上がりをする理由については次のようなものがあります。

「レベルに応じて月謝が上がる」理由について

まずは、レベルアップした場合、レッスン時間が延びていませんか?

テキストが中級・上級と進んで行くにつれて、一般的なピアノレッスンの時間とされる「30分レッスン」では時間が足りなくなってしまいます。

テキストが進むと、レッスン時間も少し延長される、よって、時間が延びた分だけ月謝も少し値上がりをするということです。

また、レッスン時間は変わらなくても、

「相当のことを教えますよ」

という意味で値上がりをするということもあります。

大手学習塾さんや大手通信教育においても、小学生の月謝と高校生とでは月謝が違います。
それと同じだと思っていただけたら良いかと思います。

レベルとは関係のない「想定外の月謝値上げ」の理由について

次に、レベルアップとは関係なく行われる「想定外の値上げ」についてです。

教室を経営している途中で、先生が「月謝を値上げしようか…」と考えるのは次のように思った時です。

① 「もう少し月謝を上げれば教室運営費を増やせるのにな…(=今のままでは運営費がやや足りていない)」

② 「教室開校当初の月謝が相場よりも安かったけれど、経験を積んだので相場に引き上げても良いのでは…」

① に関しては「教室運営費をケチケチしたくない、しかし自分と家族の生活も守らなくてはいけない。」という思いが、先生には当然あります。

それに、教室の環境をある程度良いものにしておきたいと思えば環境整備をするためにそれ相応の月謝をいただく必要があります。

また、② に関しても大切な理由です。

ピアノ教室を始める時に

「自分が住んでいる地域のピアノ教室の月謝の相場はなんとなく知っている。

けれどまだまだピアノ講師として始動し始めたばかりなので、中堅やベテランの先生と同じ月謝額にするのは気が引ける…

それにピアノ講師としての指導にも自信がないので、少し安めに月謝を設定しよう。」

そう思ってはじめは月謝を安めに設定する先生もいます。

しかし、教室を運営して3年、5年、8年…

と経つうちに生徒たちのレベルも上がってきます。

コンクール入賞者を輩出するなどある程度の実績を積んでピアノ講師としての自信がついてきた時、先生は

「うちの教室の月謝も相場に合わせても良いのでは…」

と思うようになります。

「サービスに見合った月謝をいただく」
ということですね。

それに、あまり安すぎる月謝設定のままだとピアノ教室を探している新規の顧客(生徒さん・保護者)から

「ここの教室は月謝が安いけれど熱心に教えてくれるのだろうか?」

という印象を与えてしまい、教室の信頼に関わる問題が出てきます。

また、先生にとっては正直あまり嬉しいとは言えない

「安さを一番に求める生徒」が多く集まる

という現象が起きてしまいます。

「高い月謝を払ってでも、ピアノをがんばらせたい」

と思っている熱心な保護者と

「少しでも月謝が安いピアノ教室に通わせたい」

と思っている保護者。

ピアノを熱心に指導している先生なら、前者のような保護者や生徒に出会いたいですよね。

月謝の値上がりに納得ができないならほかの教室へ移ることも選択肢に

月謝の値上げは、ピアノ教室を運営している「講師」が決定する事項です。

自分のピアノ教室を発展させるためのビジョンがある。

それを達成するためには「月謝の値上げ」が必要である。

そう思ってピアノの先生は月謝を値上げします。

「月謝の値上げには反対」

と思っても、反対を主張する権利は誰にもないのです。

「月謝が値上がりをするならもう通い続けることができない」

と思うようでしたら、その先生とはそれまでのご縁です。

先生としても

「値上がりをしてでも、この先生に習いたい」

と思ってくれる生徒さんだけに続けて通ってくださることを望んでいるはずです。

くれぐれも月謝値上がりを反対する意見を先生に伝えるのは控えて、新しい教室を探しましょう。

「ピアノ教室の月謝の値上げの理由と伝え方」まとめ

ピアノ教室の月謝値上げは、特別なことでも不当なことでもありません。
むしろ、教室がもっと良くなるためには必要なことかもしれません。
月謝の値上げを踏み切った先生は、自分のポリシーや理由を明確にし、自信をもって月謝の値上げを決めたのです。
「月謝が多少値上がりしても、この先生にピアノを教えていただくことに納得している」
そう思えるような先生に出会えると、きっとあなたの音楽人生は素敵なものとなると思います。

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