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ピアノ以外に習い事をたくさんかけもちしている生徒
「ピアノのほかにスイミング、ダンス、書き方、英会話」
なんて習い事かけもちでもりだくさんな子供さんも今や珍しくないみたいですね。
ピアノの先生としては「ピアノだけに集中してください」と言える立場ではありませんが、なんとなく腑に落ちない先生も少なくはないのでしょうか。というのも、そう思ってしまうのはピアノという習い事の特性もあるかと思います。
ピアノという習い事の特性、それは「自宅での繰り返し練習が最も大切」という点です。
ピアノという習い事は毎日練習を積み重ねてこそ習いに行っている意味がある
ピアノという習い事は、レッスンの時だけがんばってもまず上達はしません。
ピアノが上達するためには、
宿題になっている曲を次週までに繰り返し練習して、なんとしてでも弾けるようになってレッスンに行く。
これが重要なポイントです。
スイミングやサッカーなどのスポーツ系の習い事は、宿題が出ませんよね。
自宅で自主トレはするかもしれません。
書き方教室も、宿題が出るところはそう多くないのではないでしょうか。
なのでスポーツ系をはじめとする「宿題が出ない習い事」は、「習いに行ったその時その場で集中して取り組む」ことで上達をして行きます。
しかしピアノはその点は全く違っていて、レッスンというのは「上達する場」というよりかはどちらかというと「家での練習(宿題)を効果的に行うための準備」のようなことをします。
「この箇所は強弱をつける」
「スタッカートを弾く時の手の形に気を付ける」
などなど、ピアノのレッスンでは家で練習をしてくる箇所を見つけて確認します。
ピアノの上達には、家で繰り返し練習することが必須だからです。
習い事をかけもちしていて家でピアノを練習する時間がない
ピアノは「家で繰り返し練習をしないと上達しない」と述べました。
ですので、習い事をかけもちしていて、それを理由に「ピアノを練習する時間がない」とおっしゃる生徒さんは残念ながら上達は難しいのです。
そこで「上達しないのならピアノを辞めます」となるのか「上達しなくても、楽しんで通っているのでかけもちをしながら続けます」となるのか「隙間時間を見つけて、習い事をかけもちしながらもピアノの練習時間を確保します」となるのかは各ご家庭の自由です。
中には、子どもが家で練習をしないのに「上達しないのは先生のせい」と言ってくる保護者の方もいます。
その場合はもしかすると、先生の方が「ピアノが上達するためには家での練習が必須です」ときちんと伝えきれていないのかもしれません。
「ピアノは習いに行っているだけで上達する」と思っている保護者の方がいるのも事実です。
ピアノの上達を願うのか、上達はそれほど重視しないのかは先方次第ですが、ピアノの先生は新しい生徒さんがご入会される時には「ピアノの上達にはご家庭での繰り返し練習が必須です」という旨を伝えなければなりませんね。
そして「上達しなくても、楽しんで通っているので習い事をかけもちしながらピアノを続ける」という生徒さん。ご本人とご家族が納得をしているのなら、そういう形ももちろんあります。
中には「隙間時間を見つけて、習い事をかけもちしながらもピアノの練習時間を相当時間確保している」というスーパー生徒さんもいます。
習い事をかけもちする生徒になんとなく腑に落ちない先生
ピアノを習う生徒さんは他の習い事は辞めるべきと言っているのではありません。
そしてすべてのピアノの先生が、習い事をかけもちする生徒さんに対して腑に落ちないわけではありません。
全然なんとも気にしていない先生だってたくさんいます。
「上達したいという気持ちがあるのに習い事を理由に練習をしてこない生徒」
「子どものピアノが上達しないことを先生のせいにする保護者」
先生が腑に落ちないのは、これらの生徒さんや保護者に対してではないでしょうか。
ピアノは「自分で自分を高めていく習い事」です。
その精神はピアノに限ったことではないのかもしれません。
上達をしたいと願う生徒さんは、習い事を理由にピアノの練習をおろそかにしてはいけないということですね。
・習い事をかけもちしながらも、出された課題を翌週のレッスンまでに弾けるようにしていくこと。
これらの努力や経験は、これから先に待ち受ける受験勉強や社会人になってからの仕事の仕方、結婚をしたあとの家庭の切り盛りにもきっと役に立つ力になることと思います。
習い事をかけもちしながらもピアノをがんばると決めた生徒さんは、ぜひ親御さんの協力を得ながら、ピアノの技術だけでなくそういった「精神」も身に付けていっていただけたらと思います。