ピアノ教室は、ピアノを教える教室です。
しかし、せっかくなのでピアノの技術だけでなく、ちょっとしたマナーも教えてあげたいものです。
「ピアノ教室に通い始めたら子どものマナーが良くなってしっかりしてきた」と保護者の方が感じるようになると、先生への信頼度も増します。
ここでは、ピアノ教室で教えることのできる「マナー」についてまとめてみました。
目次
「月謝の意味と渡し方」
まず習い事に外せないのが「月謝」です。
この「月謝」、子どもにとっては「単なるお金」であり「ハイ、集金~」と片手でホイと先生に渡したり、中には持ってきていることを知らないのか忘れているのか、何も言わない生徒さんもいます。
月謝は「教えていただくことに対する先生へのお礼」です。
先生それぞれの言葉でこのことを生徒に伝え、渡す時は「よろしくお願いします」、月はじめに納めることを規則としている教室であれば「今月もよろしくお願いします」と言って、両手で持って渡す。ということを教えてあげましょう。
その時に「お金は月謝だけでなくどんな時も、こんなふうに両手で持って渡すんだよ。」と教えてあげると良いでしょう。
あらゆる「挨拶」
教室に来た時にまず「こんにちは」ですね。
案外、先生からの「こんにちは」をさらっとスルーしてしまう生徒さんはいます。
そんな時は怒るのではなく、もう一度「こんにちは」と先生から挨拶をしましょう。
すると、さすがに「こんにちは」が返ってきます。
そのあとに軽く
「挨拶はしようね。当たり前のことだから。」
と伝えてあげるだけでわかってくれるでしょう。
「当たり前」に理屈は不要です。
そのほかには、始めと終わりの「よろしくお願いします」と「ありがとうございました」。
何かごほうびやプレゼントなどをもらった時のお礼。
最低限の挨拶ですが「子どもは教えてあげないとできないもの」と思って、遠慮せずに教えてあげると、生徒さんのためになって良いでしょう。
玄関で靴をそろえること
「靴を揃える」ということはちょっと聞くと細かいことのように思えるかもしれません。
しかし「よその家にあがる時は靴をそろえる」ことは何も特別なことではありません。
「よその家に上がる時はね、靴をこうやって揃えておくとキレイでいいよ。ほかのおうちでもやってみてね。」と優しく教えてあげましょう。
話を最後まで聞くこと
レッスン中に演奏の指示を伝えている時、途中で喋りだす生徒さんがいます。
その時はまず「最後まで聞いてくれるかな?」と一旦、生徒のおしゃべりをストップさせましょう。
また、関連した話ならまだしも、全く関係のない話を始める生徒さんもいます。
そんな時は「それは今先生が話していることと関係があることかな?先生のお話聞いてくれてる?」と釘差しをしてあげましょう。
おうちでは、そこまでの躾は徹底されていないこともあります。
学校では、先生からきっと言われていることでしょう。
ピアノの先生も「先生」です。
「人の話は最後まで聞く」ことは大人になっても大切なことですので、遠慮せずぜひ生徒さんに教えてあげましょう。
「ピアノ教室で何を教えるか?」(マナー編)まとめ
マナーを教える際、「あんまりいろいろ言うと傷つくかも・・・」「否定されてると感じられたらどうしよう・・・」など、悩んだり不安になる気持ちもあるかもしれません。
しかし、子どもというのは家でも学校でも、大人から怒られたり注意をされたりしているものです。
子どもは、こちらが気を遣っているほど気にしていないものです。
ただ、デリケートな生徒さんもいますのでその場合は配慮した言い方を考えてください。
ピアノ教室でマナーを教えるというのは、「うちの教室に来たら品行方正に振舞いなさい」という意味ではなく「よそでも使えるマナーをここで身に付けていってくださいね」という親心のようなものです。
「大人は子どもに大切なことを教えてあげる役割がある」
と割り切って、変な遠慮はせずにマナーを教えてあげましょう。
保護者の方の手前、いろいろ言うのは気が引ける…
と思うことがあるかもしれません。
しかし、こういった「マナー」を上手に教えてあげることができれば、むしろ保護者の方は先生に感謝の気持ちを抱くでしょう。
かわいい生徒さんには、ピアノ教室で「マナー」も身に付けていってもらいましょう。
「先生・教室のためのマナー」ではなく「生徒さん自身のためのマナー」と思うと、気が楽になりますよ。