ピアノ講師のみなさん。
自分の生徒をコンクールに参加させたことがありますか?
ピアノコンクールに参加する生徒数は大変多いですが、一方で自分の生徒をピアノコンクールに参加させることに戸惑う先生も少なくはありません。
ピアノコンクールに生徒を参加させることを戸惑う理由。
講師にとっての、生徒をコンクールに参加させるする意義。
などについてお話をしてみたいと思います。
目次
ピアノコンクールに生徒を参加させることを戸惑う理由4つ
自分の生徒をコンクールに参加させることを戸惑う理由はいろいろあるかと思いますが主なものとしては次の4つではないでしょうか。
2、コンクール対策に時間を取られてテキストが進まなくなるのがイヤだから
3、生徒に良い成績を取らせることができなかったら保護者や生徒に申し訳ないから
4、指導者としての実力が暗黙に試されるから
講師にとっての「生徒をコンクールに参加させる意義」とは何?
コンクールに参加することは生徒にとっても大きな意義がありますが、講師にとっても同じくらいの大きな意義が存在します。
① 講師の経験値アップ・実績作りとしてのコンクール参加
特にこれまでコンクールに生徒を参加させたことのない先生でしたら、コンクール初参加はピアノ講師としての大きな経験値アップとなります。
新しい生徒さんからの問い合わせで
「コンクール対策はしてもらえますか?」
と言われた時に自信をもって「Yes」と言えるためには、やはりコンクールに参加したことがあるという実績が必要不可欠となります。
また、コンクールで生徒が入賞しているというのは「指導力のある先生」とみなす判断材料の一つにもなります。
指導力のある先生・熱心に指導してくれる先生を望んでいる親御さんにとっては、コンクールで生徒が上位入賞している先生というのは「指導力と実績のあるピアノの先生」というように映るでしょう。
② 生徒に基礎を教え直す機会となるコンクール参加
コンクールは、教室の発表会とは違い他教室の生徒たちが勢ぞろいします。
また当然、審査員の先生による審査がつきもので、自分の生徒の演奏が評価されます。
そういったことを考えると、日頃のレッスンを熱心に行っているつもりの先生でも、コンクールの課題曲に取り組む時には「もっと、もっと、表現と技術を…」と生徒に求めるようになります。
日頃のレッスンでは手が行き届かないような部分を、コンクールに参加する時にはきっちり突き詰めていきます。
なので生徒は、基礎を再び振り返る機会を与えられます。
同時にコンクールに参加しない生徒の演奏も次第に気になって突き詰めるようになっていくので、教室全体の生徒の基礎力アップに繋がることもあります。
③ 指導の在り方・指導者としての在り方を見直す機会となるコンクール参加
コンクールの課題曲に取り組む時、講師は妥協のない姿勢で始動にあたるようになります。
日頃からきちんとしたことを教えているつもりの先生でも、コンクール前には「拍が合っていない」「フレーズ感がない」「和声がきれいに響いていない」「伴奏とメロディーのバランスが良くない」など、いろいろなことが次から次へと気になってきます。
そんな時に思うのです
「自分は一体これまで何を指導してきたのだろう・・・」
と。
「できているつもり」になっていた部分が、コンクールに参加するとなると「よその目」があるので当然今まで以上に神経を研ぎ澄ませるようになり、「できていない」ことに気づくようになります。
なのでコンクールへの参加が、日頃の指導の在り方を見直す機会となるのです。
また、生徒が大舞台で演奏をするとなると演奏直前と舞台上でのメンタルトレーニングも担わなくてはいけません。
演奏とは本来「聴いてもらうもの」です。
「生徒が当日に最良の演奏ができるように」
演奏を仕上げるだけではなく、演奏する前の気持ちの持ちようなども含めて指導できて初めて「ピアノの指導者」と言えるのではないかと思います。
そういった意味でもコンクール参加は「指導者としての在り方」を考える機会にもなると言えるでしょう。
「生徒をピアノコンクールに参加させる意義」まとめ
生徒をコンクールに出すことに不安を抱く先生は多いですし、実際講師も精神的に追い詰められます。
しかし、日頃のレッスンではテキストを進めることに気を取られて手が届かなかった部分にじっくり向き合うことができるのがコンクールです。
実績ができるだけではなく、日頃の自分の指導を見直す機会にもなる「生徒のコンクール参加」
ぜひ積極的に生徒をコンクールに出してピアノ講師としての経験を積み重ね、指導の技術を向上させていきましょう!