子どもは、保護者の友達であるピアノの先生の教室に通っているという方。
逆の立場で言えば、生徒の保護者は自分の友達である、という状況の先生。
先生と保護者が友達同士であることは、良い面もあると同時に気を付けなければいけない点もあります。
今日は「『ピアノの先生』と『生徒さんの保護者』が、友達同士の場合の注意点」についてお話をしてみたいと思います。
目次
先生と保護者が、友達同士だと良い点
☆ 融通をきかせてもらいやすい
ちょっとした時間の変更などを比較的遠慮せずに言えちゃうのが友達同士の良い点でしょうか。
遠慮なくとはいっても、ギッリチ詰めこんだスケジュールでレッスンをしている先生もいますし、空いている時間は家族のための時間、自分のための時間と決めている先生もいます。
あまり頻繁な時間の変更は、いくら友達とは言ってもだんだんと先生の方も嫌気がさしてくるケースもあるかもしれません。
時間の変更をお願いする時には節度をもって、謙虚な姿勢でお願いをすると末永いお付き合いができると思います。
あとは、入会待ちが生じるほどの人気の教室の場合は、友達だと優先して入れてもらえることもかもしれませんね。
「保護者と先生が友達同士であるメリット」はこのくらいでしょうか。
それでは次は先生と保護者が、友達同士だと気を付けなければならない点について考えてみました。
① 原則として月謝などの待遇はほかの生徒さんと同じで、というスタンスで臨む
友達だから月謝を安くしてもらえるのでは…
と、ちょっと期待をしてしまう方も実際のところいらっしゃるようですが、現実はあまりそういった「友達特典」のような優遇措置は取られていない場合がほとんどです。
中には「友達価でお願いできないかな?」なんてあからさまに言ってくる人もいるみたいですが、友達とは言っても良い気持ちはしません。
ピアノ教室の月謝は、先生がポリシーをもって設定している価格です。
それに
「友達価格をアテにしてうちの教室に入りたいのかな…」
なんていう不信感も、先生側に生まれてしまいます。
② 補講やレッスン延長の料金もほかの生徒さん同様に戴く
発表会前やコンクール前の補講。
任意だとしても、こちらからの申し出だとしても、ほかの生徒さんからはレッスン料をいただいている場合は友達である保護者の方からもためらわずに戴きます。
やはりお金の面で、つい「友達からきっちりお金を取るのは気が引ける…」と思ってしまう気持ちもわかりますが、それをしていたら友達の方も
「そういう教室なんだ。そういう感覚でいいんだ。」
と、感覚が麻痺していきます。
そうなると、何かと先生にも負担がかかってくるかもしれません。
以後、きっちりとした線引きができなくなってしまうこともあります。
習い事の月謝の話です。
「友達同士でお茶代を割り勘にする」
ような話ではありません。
プロフェッショナルとして仕事をした分のレッスン料や、教材費の実費はほかの生徒さんと同様にドライにきっちりといただきましょう。
友達である保護者に対しては値引きをしてはいけない?
では、友達である保護者に対しては絶対に月謝の値引きをしない方が良いのか?
というと、そういう意味ではありません。
のちのちのトラブル回避のためにも
「わかりやす値引き」
にとどめておくのが賢明かと思います。
「わかりやすい値引き」というのは、
「通常の月謝から500円引き、だけどその他の部分はほかの生徒と同じ」
といったようにシンプルなものです。
「友達なのにマケてくれないなんてケチくさいな」
と思うようなご友人でしたら、ピアノという芸事を習うことがどういうことかわかっていない、とも捉えられます。
ピアノの先生は、自分の教室のサービス(レッスン)を必要以上に安売りしたり迎合することなく、特にひっかかりを残しがちなお金の面では「ほかの生徒と一緒で当たり前」という気持ちでいても大丈夫です。
以上、「『ピアノの先生』と『生徒の保護者』が、友達同士の場合の注意点」についてのお話でした。
大人になっても続いているせっかくのありがたいご友人とのご縁が、ピアノが原因で途切れさせるようなことになりませんよう願うばかりです。