ピアノを習っていると、
子どもが熱を出して・・・
慶弔事があって・・・
下の子の体調不良などで、どうしても送迎をすることができなくなった・・・
やむを得ず、ピアノのレッスンをお休みしてしまうことってありますよね。
最近では、お休みをした場合に 振替レッスンをしてもらえる教室も少しずつ増えてきました。
ピアノのレッスンをお休みしても振替レッスンをしていただけることは大変ありがたいことです。
ただ、ちょっと考えてみてください。
振替レッスンをしていただける、そのありがたみの意味を本当に理解していますか?
目次
振替レッスンをしていただくということは「通常の2倍の時間」をサービスされている
ピアノのレッスンをお休みした際、生徒さんにとっては単なる「お休み」ですが、その時間は先生にとっては「生徒さんが来ることを前提に確保していた時間」です。
生徒さんがお休みをした場合は、もう1枠余分にその生徒さんのために時間を費やすことになります。
なので、先生にとっては「通常の2倍の時間をサービスしている」ということになります。
「いやいや、でもうちの子が休んだ時間、先生は空き時間になったわけでしょう?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、たとえば30分レッスンの1枠だけが欠席によって空いてしまった場合。30分まるまる先生の時間になることはまずありません。
まず、前にレッスンをしている生徒さんは時間きっちりに教室を退室するわけではありません。特に、次の生徒さんが来ない日はなんとなくまったりとおしゃべりタイムになってしまうこともあります(笑)
そして5分10分が過ぎて生徒さんが退室したと思ったら、次の生徒さんが5分前に来てくれれば良いのですが10分前なんかにピンポーンと来ると、そこからもうレッスン開始です。
「自宅でレッスンをしている先生に30分の空きができた」
というと、洗濯ものを畳んだり、食器を洗ったり、掃除をしたりと家事を済ませたり、先生自身のピアノの練習をすることもできそうですが、実はこういった隙間の30分の枠というのは結局10分程度の中途半端な時間しか残らなかったりするものです。
先生にとっては、生徒さんがお休みをした枠は言ってみれば「死に枠」となるのですね。
ということで、お休みをした生徒さんに振替レッスンをして差し上げる先生は、その生徒さんのために「もう1枠余分に待機する」ことになるのです。この感覚は当事者でないとなかなか気づかない部分なではないかと思います。
先生の時間を余分に使う「振替レッスン」感謝の気持ちを忘れずに
振替レッスンは「先生の時間を余分に使う」ことになることがおわかりいただけたかと思います。
しかもタダで、です。(振替レッスン手数料などがあればまた話は別ですが)
たいていの親御さんは、振替レッスンに関して「本当にすみません、ありがとうございます。」と感謝の気持ちを口に出しますが、中には振替レッスンの前日や当日になって「やっぱり行けないので日を替えていただけませんか?」と安易に変更を要求してくる親御さんもいます。
その場合は「先生の時間を通常の3倍消費している」ということになりますよね。
もしこの時間にレッスンを希望している生徒さんがいた場合は、先生はその生徒さんを断って枠を確保しているのです。
それに振替レッスンは「あって当たり前」のシステムではありません。
ただ反面、振替レッスンはできる限りは行って差し上げるのが良心的ではある、という考えがあるのも事実です。
だからと言って先生の時間を2倍消費することは、誰の得にもなっていないのも事実です。
なので、振替レッスンをしていただける場合は謙虚な気持ちでお受けするのが筋なのです。
気を付けていただきたいのが、教室の規約に「振替レッスン可」と明記されていても、
「来週お休みをするので空いている時に振替レッスンをお願いします」
と親御さんの方から言ってはいけないとうことです。
お休みの連絡の際は、
「すみません。来週は〇〇の理由でどうしてレッスンに行けそうにないのでお休みをさせていただきたいと思います。大変すみません。また来週、よろしくお願いいたします。」
とだけ伝えて、先生の方から振替レッスンの提案があるのを待つのが常識的といえます。
振替レッスンをしていただく時の心構えとは?まとめ
振替レッスンのシステムは当たり前ではありません。
先生の好意で行われる「振替レッスン」
ピアノという習い事をする親御さんの心構えとしては、謙虚な気持ちでお受けするのが筋なのです。間違っても、規約に「振替レッスン可」とあったとしてもこちらから振替レッスンの要求をしてはいけません。
また、振替レッスン日を設定していただいたら必ずその日に伺えるようにしましょう。
「振替レッスンをしていただく場合は先生の時間を2倍消費している」という気持ちを忘れずに謙虚な態度でいれば、先生は快く振替レッスンをしてくれるはずです。
「芸事を習う」という世界における心構えのひとつとして「謙虚な態度」をぜひ忘れずにいていただけたらと思います。